焼付塗装・粉体塗装

【粉体塗装】ボンデ鋼板柱カバーパネルの密着性を最大化！均一な膜厚管理

今回の施工事例は、建築物のR形状の柱カバーパネルに対する粉体プライマー塗装工事です。

R形状のカバーパネルは、建物の意匠性を高める重要な部材ですが、その曲線ゆえに、塗装作業には高度な技術と徹底した品質管理が求められます。
特に今回は、最終的に現場で上塗りを行うことを前提とした「プライマー仕上げ」での納品。

曲面部分では、塗料の厚みが均一にならず、薄くなりすぎたり、逆に粉が溜まりすぎて厚くなりすぎたりする「膜厚ムラ」が発生しやすいという課題があります。
また、素地材であるボンデ鋼板の特性を考慮し、油分や汚れを徹底的に除去する前処理を丁寧に行わなければ、せっかくの塗膜が剥がれてしまう密着不良につながります。

さらに、R柱を構成する4枚のパネルセットで、色調や表面の状態にわずかなバラつきでもあれば、現場での取り付け時に継ぎ目が目立ってしまいます。

「曲面への均一な塗装」

「素材に合わせた密着性の確保」

「現場の次工程を見据えた仕上げ」

「製品としての統一感」

という複数の品質要件をクリアするための工程管理を実施した事例をご紹介します。

📌 施工案件情報

📁 案件名：
柱カバーパネル粉体塗装工事
🎨 施工内容：
R形状のボンデ鋼板製柱カバーパネルに対する、均一な膜厚と密着性を確保した粉体プライマー塗装および搬送保護対策

📝 工事内容の詳細

本工事で用いた粉体塗装は、溶剤を使用しないため環境に優しく、耐久性の高い塗膜を形成できるという特長があります。しかし、R形状のような曲面を持つパネルへの塗装は難易度が高いのが実情です。

曲線部分の端やカーブの内側などは、塗料が薄く付きやすい、または粉が溜まって厚くなりやすい傾向があるため、規定された膜厚（塗膜の厚さ）をしっかりと、かつ均一に確保することが品質の絶対条件となりました。

当社では、塗装ガン（スプレー）の角度、距離、移動スピードを微細に調整と、焼き付け乾燥の温度管理を徹底。これにより、曲面であっても塗膜の厚さが一定になるようコントロールしました。

また、素地であるボンデ鋼板は、塗装前に表面の油分や不純物が残っていると、塗料が剥がれやすくなってしまいます。そのため、粉体塗料の密着性を最大限に引き出すために、脱脂・洗浄を時間をかけて丁寧に行う前処理工程に特に注力しました。この前処理の良し悪しが、塗膜の寿命を大きく左右します。

最終的な仕上がりとして、現場での上塗り（現場塗装）がスムーズに進むよう、プライマーの表面粗さや状態を細かくチェックし、4枚セットの全パネルで色やツヤに差が出ないよう、統一的な品質管理を徹底して納品しました。

🖼️ 施工写真

【施工前】

【施工中】

【施工後】

💡 提案内容と施工のポイント

R形状部への均一膜厚コントロール｜曲面があることで発生しやすい「薄付き」や「粉の溜まり」を防ぐため、熟練の職人が塗装ガンを操作し、全てのパネルで規定膜厚をクリアするよう徹底的に管理しました。
ボンデ鋼板に特化した徹底的な前処理｜リン酸亜鉛処理されたボンデ鋼板でも密着不良を起こさないよう、油分・汚れを完璧に除去する入念な脱脂・洗浄工程を設け、粉体プライマーの密着力を最大化しました。
現場上塗りを考慮した仕上げ感の確保｜最終仕上げが現場塗装であるため、後工程の塗料がしっかり乗るように、粉体プライマーの表面粗さ・密着性を最適化。現場作業の手戻りを防ぐ品質で納品しました。
4枚セットでのパネル精度・見映えの統一｜R柱を囲む4枚セットとして、現場での継ぎ目が目立たないよう、塗膜の厚さだけでなく、プライマー色やツヤ、表面状態のバラつきを最小限に抑えるよう、厳格な全数検査を実施しました。
物流・搬送時の塗膜保護対策の徹底｜現場での上塗りに影響が出ないよう、完成したプライマー塗膜に傷がつかないよう、搬送・保管時には専用の塗膜保護シートを使用し、丁寧に梱包することで品質を維持しました。

📊 工事概要

工期	４日間
面積	カバーパネル240本
素地	スチール（ボンデ鋼板）
使用塗料	下塗り：久保孝ペイント /カラーガード　プライマー上塗り：（現場にて施工）