COLUMN / 設備・機械塗装

配電盤塗装の基本|劣化サイン・工程・費用が決まる要素

更新 2026.10.28

配電盤塗装の基本|劣化サイン・工程・費用が決まる要素

配電盤塗装は、錆や塗膜の劣化から盤の筐体を守り、内部の機器へ水分や腐食が及ぶのを防ぐためのメンテナンスです。

この記事では、工場やビルの設備担当の方に向けて、配電盤塗装の役割、塗り替えを検討する劣化のサイン、実際の工程、費用が変わる要素を順に整理します。停電の要否と作業の段取りは「配電盤の塗装を止めずに進める方法」で詳しく扱っています。

配電盤塗装の役割

重要事項と書かれたノートのイメージ

配電盤の筐体は金属製のため、塗膜が防錆の第一の層になります。配電盤塗装の役割は、主に次の3つです。

  • 防錆・防食:塗膜で金属の素地を覆い、錆や腐食の進行を抑えます。屋外や湿気の多い場所に置かれた盤ほど重要です。
  • 水分の侵入を防ぐ:塗膜のひび割れや剥がれ、錆による穴は、盤の内部へ水分が入る経路になります。
  • 識別と表示の維持:色分けや表示の視認性を保つことで、日常の点検や操作を安全に行えます。

配電盤塗装を検討する劣化のサイン

塗り替えの判断は、塗膜がどこまで傷んでいるかで変わります。目安は次のとおりです。

劣化のサイン 状態 主な対応
ツヤ引け・色褪せ 塗膜の表面が劣化している。素地はまだ守られている 軽研磨(ケレン)のうえ再塗装
点錆・塗膜の浮き 塗膜の下で錆が始まっている 錆を除去し、錆止めから塗り直す
広い範囲の錆・剥がれ 旧塗膜が防錆の役目を果たしていない 旧塗膜と錆の除去。部品を外して処理することもある
腐食による穴・変形 塗装だけでは直らない可能性がある 板金補修や盤の更新も含めて判断

錆が出た盤を再塗装で延命できるか、交換を考えるべきかの見極めは「配電盤の錆は再塗装で止まる?キュービクルを含む盤の錆の段階と見極め方」で解説しています。

配電盤塗装の対象となる屋外の配電盤(足元をブルーシートで養生した状態)

配電盤塗装の工程

当社の配電盤塗装は、おおむね次の順で進めます。

  1. 現地確認:設置場所、稼働状況、停電の要否、表示や銘板の位置を確認します。
  2. 養生:開口部・配線・丁番・鍵などの可動部、表示や銘板を塗りつぶさないよう覆います。
  3. ケレン(下地処理):錆と傷んだ旧塗膜を除去します。ツヤ引けだけなら軽研磨で密着を高めます。
  4. 下塗り:錆止めを入れて素地を保護します。
  5. 上塗り:設置環境に合った塗料で仕上げます。
  6. 養生の撤去と確認:可動部の動きや表示の見え方を確認して引き渡します。

通電している部分の近くで作業する場合の安全対策は、停電の要否とあわせて事前に決めます。

配電盤塗装を終えた屋内の配電盤

配電盤塗装の費用が変わる要素

COSTと書かれたボードと紙幣のイメージ

配電盤塗装の費用は、盤の大きさや面数だけでは決まりません。主に次の要素で変わります。

  • 劣化の程度:ツヤ引けだけか、錆や旧塗膜の除去が要るか
  • 設置場所:屋内か屋外か、高所や狭い場所か
  • 稼働状況:停電できる時間帯、夜間・休日の作業が必要か
  • 養生の範囲:表示・銘板、開口部、周囲の設備をどこまで覆うか
  • 部品の扱い:部品を外して処理するか、取り付けたまま塗るか
  • 色の指定:既存の色に合わせるか、指定色があるか(日本塗料工業会「塗料用標準色」の番号で指定いただくと色合わせが確実です)

このため当社では一律の単価表は設けず、現地確認または写真をもとに個別にお見積りしています。

配電盤塗装の施工事例

当社が実際に行った配電盤の塗り替えから2件を紹介します。

事例1:色褪せとツヤ引けを解消した再塗装

錆は出ていなかったものの、ツヤ引けと色褪せが目立っていた配電盤です。開口部・配線部分・丁番・鍵を塗りつぶさないよう養生し、軽研磨のケレンで密着を高めてから、耐久性の高いウレタン塗料で仕上げました。

施工事例:配電盤の色褪せ・ツヤ引けを解消した再塗装

事例2:錆の除去から再塗装まで行った塗り替え

旧塗膜の剥がれと錆が細かな部品まで進んでいた配電盤です。部品を分解して錆を除去し、防錆力の高い塗料で塗り直しました。

施工事例:配電盤の塗替え工事(錆除去から再塗装まで)

工場内に設置された配電盤

キュービクルや制御盤の事例は施工事例一覧をご覧ください。

配電盤塗装を依頼するときの確認点

電球と疑問符のコマで確認点を示すイメージ

  • 電気設備の塗装実績:配電盤・キュービクル・制御盤の施工事例があるか
  • 停電と安全対策の説明:停電の要否、作業時間帯、通電部への対策を事前に示してもらえるか
  • 下地処理の明記:見積りにケレンや錆止めの工程が書かれているか。下地処理が不十分だと、早い時期に錆が再発します
  • 養生の方法:表示・銘板・可動部をどう保護するか

株式会社ユーコーができること

株式会社ユーコーは大阪府大東市を拠点に、配電盤・キュービクル・制御盤などの設備・機械塗装を行っています。設置したままの盤を現地で塗る作業にも対応しています。停電の可否や作業できる時間帯をうかがったうえで、工程と工期をご提案します。

配電盤以外の機械・配管・タンクも含めて、設備塗装の塗料と工法が何で決まるかは設備塗装とは?建築塗装との違いと、塗料・工法が決まる条件で解説しています。

配電盤塗装でよくあるご質問

質問と回答を示す2人のイラスト

Q1. 塗装の間、停電は必要ですか?

盤の外面だけを塗る場合と、内部や通電部の近くまで作業する場合で異なります。停電が要る範囲・要らない範囲は「配電盤の塗装を止めずに進める方法」で整理しています。現地確認の段階で、停電の要否と作業時間帯を決めます。

Q2. 塗り替えの周期はどのくらいですか?

設置環境(屋外か屋内か、湿気や塩分の多い場所か)と使う塗料で大きく変わるため、一律の年数はお伝えしていません。ツヤ引けや点錆が出た段階で点検し、錆が広がる前に塗り替えるのが確実です。

Q3. キュービクルや制御盤も対象ですか?

対象です。屋内・屋外の配電盤のほか、キュービクルや制御盤の塗装も行っています。

Q4. 工期はどのくらいですか?

面数、劣化の程度、塗料の乾燥時間、停電できる時間帯で変わります。現地確認または写真を拝見したうえで工期をご提示します。

配電盤塗装のまとめ

  • 配電盤塗装の役割は、防錆・防食、水分の侵入防止、識別と表示の維持
  • ツヤ引けの段階なら軽研磨と再塗装、錆が出ていれば除去と錆止めからやり直す
  • 費用は劣化の程度・設置場所・稼働状況・養生の範囲・色の指定で変わる
  • 依頼先は、電気設備の実績、停電と安全対策の説明、下地処理の明記で見極める

相談内容を書き出すメモとペンのイメージ

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お電話:072-800-8107(平日9:00〜17:30)
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執筆:株式会社ユーコー(工場・設備の塗装と補修/大阪府大東市)

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