COLUMN / 模様塗装

木目調塗装とは?アルミパネルの方法と本物の木材との違い

更新 2026.10.29

木目調塗装とは?アルミパネルの方法と本物の木材との違い

木目調塗装とは、アルミやスチールのパネル・ルーバーなどの表面に、塗装で木目を描いて木のような見た目に仕上げる方法です。本物の木材を使いにくい屋外や防火の制約がある場所でも、耐久性のある金属の部材のまま、木の色と柄を出せます。

この記事は、天井パネルや外装パネル、ルーバーを木目にしたい設計事務所・ゼネコン、木の意匠を金属で置き換えたい建物管理会社・メーカーの方に向けて、木目調塗装と本物の木材との違い、アルミパネルを木目調にする方法と工程、仕上がりを左右する注意点を、当社の施工事例とあわせてまとめたものです。

木目調塗装とは|金属の上に、塗装で木目を描く仕上げ

木目調塗装は、模様塗装(意匠性塗装)のひとつです。素材に合わせて下地を整え、密着を高める下塗りと、木の地色になるベースを塗ったうえで、刷毛やローラーなどの道具を使って手作業で木目を描きます。最後に上塗りで表面を保護し、艶を整えます。

木目の種類(マホガニー調など)、色の濃さ、艶は、見本で確認してから決めます。石目調や古美調など、ほかの質感も含めた模様塗装の全体像は模様塗装とは?木目・石目などの種類と工程、向く場所で解説しています。

木目調塗装とは|アルミの外装パネルに、塗装でマホガニー調の木目と色の濃淡を描いた仕上がり

当社の施工事例より|アルミの外装パネルに描いたマホガニー調の木目

木目調塗装が選ばれる主な場面は、次の2つです。

  • 木の意匠にしたいが、木材を使いにくい場所:屋外や水まわり、防火の制約がある天井・外装・ルーバーなど。
  • 今ある金属の部材を、交換せずに木目へ変えたいとき:既存のパネルの上から塗装して意匠を変えられます。取り外せない面は現地で施工します。

木目調塗装と本物の木材の違い

木目調塗装は、本物の木をそのまま再現するものではなく、見た目の質感を塗装でつくる工法です。素材が違うため、向いている場所や、知っておきたい点が変わります。

木目調塗装と本物の木材の違い|素材・見た目・使いやすい場所・屋外での傷み方・今ある部材への施工を比べた図

観点 木目調塗装(金属+塗装) 本物の木材
素材 アルミ・スチールなどの金属 木
見た目 木目の種類・色の濃さ・艶を見本で決めて描く 木そのものの色と木目
手ざわり・凹凸 本物の木の凹凸まで再現できるかは柄による 木そのものの手ざわり
使いやすい場所 金属の部材のまま、屋外・水まわり・防火の制約がある場所にも 屋外や水まわり、防火の制約がある場所では選びにくい
屋外での傷み方 木のような腐れの心配はない。塗膜は日差しや雨で少しずつ傷むため、当たり方に合わせて塗料の仕様を決める 日差しや雨で、色あせ・割れ・反り・腐れが出やすく、保護塗装の塗り直しなどの手入れが欠かせない
今ある部材への施工 今ある金属の部材の上から塗って、木目に変えられる 部材ごと取り替える
1枚ごとの違い 手作業のため、木目の出方がわずかに異なる 1枚ごとに木目が違う

当社の外装パネルの事例でも、「木調の高級感あるデザインがほしいが、本物の木材ではすぐに傷んでしまう」というご要望から、アルミパネルにマホガニー調の木目を塗装で再現しました。

一方で、塗膜も年月とともに少しずつ傷みます。「木目調塗装なら手入れはいらない」とは言い切れないため、屋外で使う場合は、日差しや雨の当たり方を伺ってから塗料の仕様を決めます。

アルミパネルを木目調にする方法

アルミパネルやルーバーを木目に見せる方法は、塗装のほかにもあります。新しくパネルを製作する場合はパネルメーカーが用意している木目柄の仕上げを選べることがあり、今ある部材に木目柄のシートを貼る方法もあります。

当社がお受けしているのは、塗装で木目を描く方法です。木目の種類・色の濃さ・艶を見本で決めてから描くため、周りの部材の色や既存の柄に合わせたいとき、今あるパネルを外さずに木目へ変えたいときにご相談いただいています。

持ち帰り施工と現地施工

塗装で木目を描く場合の進め方は2つです。取り外せるパネルやルーバーは持ち帰って塗装ブースで仕上げ、取り外せない天井や壁面は現地で施工します。どちらの場合も、事前に見本で柄と色を確認します。

観点 持ち帰り施工 現地施工
向いているもの 取り外せるパネル・ルーバー・金物・什器。数量が多いもの 取り外せない天井・壁面、エントランスの金物、据え付けた什器
進め方 部材をお預かりし、下地処理から木目・上塗りまで仕上げてお返しする 周囲を養生し、その場で下地処理から木目・上塗りまで行う
事前に伺うこと 寸法・数量・素材、取り付けの時期 施工できる時間帯、養生の範囲、臭いや音の制約

大きなパネルを現地で塗るときの考え方は模様塗装の現場施工|大きなパネルを外さずに木目・石目に塗る条件と進め方で解説しています。

アルミパネルに木目を描く工程

アルミパネルの木目調塗装は、素地の上に下塗り・ベース・木目・上塗りを重ねてつくります。当社の施工事例で行った工程は、次のとおりです。

アルミパネルに木目を描く工程|アルミ素地の上に密着用の下塗り・ベース・手描きの木目・上塗りを重ねる塗膜の構成と、各層の役割を示した図

  1. 見本で確認:木目の種類・色の濃さ・艶を見本で確認し、仕上がりの基準を決めます。天井パネルの事例では、設計段階からの色味へのこだわりに合わせてサンプルづくりを重ね、木の色味と濃淡を決めました。
  2. 下地処理・下塗り:アルミは塗料が剥がれやすい素材のため、下地を整えたうえで、密着を高める下塗りを入れます。天井パネルの事例では「CFプライマー」、外装パネルの事例では非鉄金属にも強い大日本塗料の「デュラクロン」を下塗りに使いました。
  3. ベース塗装:木の地色になるベースを塗ります。天井パネルの事例では「デュラクロンCW」を使いました。
  4. 木目を描く:職人が刷毛やローラーなどの道具で、木目の流れや節、年輪を手作業で描き込みます。
  5. 上塗り・確認:上塗りで表面を保護し、艶を整えます。天井パネルの事例では仕上げに「Vトップ」を、屋外のルーバーの事例では2液形ウレタンを使い、艶を抑えたマット仕上げにしました。最後に見本と照らし合わせて仕上がりを確かめます。

アルミパネルに木目を描く工程|ベースを塗ったアルミの外装パネルに、職人が刷毛で木目を手描きしている様子

当社の施工事例より|外装パネルにマホガニー調の木目を描いている様子

木目調塗装の仕上がりを左右する注意点

隣り合うパネルで、柄と色をつなげる

天井や外装のようにパネルを並べて取り付ける場合、1枚だけ色が濃い、継ぎ目で木目が途切れる、といった違いが目立ちます。当社の天井パネルの事例では、並べたときの全体を見渡しながら同じトーンで描き続け、外装パネルの事例では、継ぎ目で模様が不自然に途切れないよう、色味・濃淡・線の流れをそろえました。

木目調塗装の注意点|木目を描いたパネルを並べ、継ぎ目で木目の流れと色の濃淡がつながっているかを確かめる様子(イメージ)

※画像はイメージです

1枚ごとの違いを、どこまで許容するか決めておく

手作業で描くため、1枚ごとに木目の出方はわずかに異なります。そろえたい度合いは現場ごとに違うため、許容できる範囲を見本の段階で決めておきます。

艶を見本で確かめる

艶の度合いでも木目の印象は変わります。屋外のルーバーの事例では、クリアで艶を抑えて自然な仕上がりにしました。艶は、柄や色の濃さと一緒に見本で確かめて決めます。

屋外で使う場合と、素材の違い

屋外で使う場合は、日差しや雨の当たり方を伺ってから塗料の仕様を決めます。また、アルミ・スチール・樹脂など、素材によって下地処理が変わるため、素材が分かる範囲でお知らせください。本物の木の凹凸まで再現できるかは柄によって異なり、見た目の質感を塗装でつくる工法である点も、事前にお伝えしています。

木目調塗装の施工事例

当社の施工事例から、木目調塗装の例を紹介します。

ほかの事例は模様塗装の施工事例でご覧いただけます。

木目調塗装を依頼するときに伝えること

次の情報があると、塗れるかどうかと、進め方・概算を早くお伝えできます。分かるものだけで構いません。

  • 対象物:パネル・ルーバー・金物などの別、素材、寸法と数量
  • 設置場所:屋内か屋外か、日差しや雨の当たり方、取り外せるかどうか
  • 木目のイメージ:イメージに近い写真、合わせたい既存の柄や周りの部材の写真
  • 図面・写真:図面と、設置場所の全体・近景の写真
  • 時期:取り付けの時期や、施工できる時間帯

柄・色の決め方や、見積りが決まる要素は模様塗装を依頼する前に決めること|柄・色・施工場所と見積り、既存の柄に合わせるときの考え方は模様塗装の補修|既存の木目・石目に柄を合わせて直す判断と進め方で解説しています。

株式会社ユーコーの木目調塗装

株式会社ユーコーは、大阪府大東市を拠点に、アルミ・スチールのパネルやルーバー、金物の模様塗装を承っています。木目調は、天井パネル・外装パネル・屋外のルーバーで施工しています。木目の種類・色の濃さ・艶を見本で決めてから、同じ基準で1枚ずつ描きます。

取り外せない天井や壁面は、出張塗装で現地に伺って施工します。

木目調塗装でよくあるご質問

屋外のルーバーや外装パネルにも使えますか

使えます。屋外のルーバー約130m、外装パネル約85㎡を木目調に仕上げた例があります。日差しや雨の当たり方を伺ってから、塗料の仕様を決めます。

今あるアルミパネルを、外さずに木目調にできますか

設置の状況によります。取り外せない場合は、現地で施工する方法をご提案します。設置場所の全体と、パネルの近景の写真をお送りください。

周りの部材や既存の木目に、色を合わせられますか

木目の種類、色の濃さ、艶を見本でご確認いただいてから決めます。既存の柄に合わせる場合は、現状の写真をお送りください。

少ない枚数でも頼めますか

数量が少ない場合もご相談ください。寸法と数量が分かれば、進め方と概算をお返しします。

まとめ:木目調塗装とは、金属の上に塗装で木目を描く仕上げ

  • 木目調塗装とは:下塗り・ベースの上に木目を手作業で描き、上塗りで保護して、金属の部材を木のように見せる仕上げ。
  • 本物の木材との違い:金属の部材のまま、木材を使いにくい屋外・水まわり・防火の制約がある場所にも使える。塗膜も少しずつ傷むため、屋外では塗料の仕様を合わせる。
  • アルミパネルの方法:取り外せる部材は持ち帰り、取り外せない面は現地で施工。アルミは塗料が剥がれやすいため、密着を高める下塗りが要になる。
  • 仕上がりの注意点:隣り合うパネルとの柄・色のつながり、1枚ごとの違いの許容範囲、艶、凹凸の再現。

どんな木目が合うか決まっていない段階でも、設置場所の写真やイメージに近い写真をお送りいただければご相談いただけます。

工場・プラントの塗装、設備機械の塗り替え、焼付・粉体塗装のご相談を承っています。
図面や現況写真をお送りいただければ、可否と概算のご回答が可能です。

お電話:072-800-8107(平日9:00〜17:30)
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執筆:株式会社ユーコー(工場・設備の塗装と補修/大阪府大東市)

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対象物の写真と、おおよその寸法・数量をお送りください。工法と概算、現地調査が必要かをお返しします。

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