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工場外壁の塗料の選び方|下塗り・上塗りの組み合わせと樹脂の種類、当社の使用例

更新 2026.10.29

工場外壁の塗料の選び方|下塗り・上塗りの組み合わせと樹脂の種類、当社の使用例

工場外壁の塗料は、錆を抑えて塗膜を素地に密着させる下塗りと、色あせや汚れから外壁を守る上塗りの組み合わせで選びます。鋼板(スチール)の外壁では、上塗りの樹脂の種類より先に、錆の状態に合った下塗りを決めることが、塗り替えの持ちを左右します。

この記事は、工場の外壁の塗り替えを計画している保全担当・施設管理の方に向けて、工場外壁の塗料が担う役割、下塗りと上塗りの組み合わせ方、上塗りの樹脂の種類と特徴、選ぶときの判断軸を、当社が工場の外壁・屋根の塗り替えで実際に使った塗料とあわせてまとめたものです。費用は面積・傷みの程度・塗料の仕様で変わるため、ここでは書いていません。

工場外壁の塗料が担う4つの役割

工場外壁の塗料には、見た目を整える以外にも次の役割があります。どれを優先するかで、選ぶ塗料と工程が変わります。

  • 防錆:鋼板の外壁や鉄骨の付帯部では、塗膜が切れたところから錆が進みます。防錆の下塗りと上塗りを重ねて、素地に水と酸素を届かせないようにします。
  • 防水:塗膜は、雨水が外壁材にしみ込むのを抑えます。継ぎ目やボルトまわりの補修とあわせて考えると、雨漏りの予防につながります。
  • 美観の維持:外壁は工場の第一印象になります。色あせやチョーキング(触ると白い粉が付く状態)、排気や粉じんによる汚れが進むと、手入れが行き届いていない印象を与えます。
  • 機能の付加:汚れが付きにくい低汚染型の塗料や、日射の熱を反射する遮熱塗料など、目的に合わせた機能を持つ塗料もあります。効き方は建屋の条件で変わるため、仕様を決める前に確かめます。

鋼板の外壁は、工場外壁の塗料を「下塗り+上塗り」の組みで選ぶ

工場外壁の塗料は、1種類を塗って終わりではありません。役割の違う塗料を順に重ねて、ひとつの塗膜をつくります。鋼板の外壁の塗り替えでは、次の順に塗り重ねるのが基本です。

工場外壁の塗料の下塗りと上塗りの組み合わせ|鋼板の素地、ケレン、下塗り(錆止め)、中塗り、上塗りの順に重ねる塗膜の構成と、それぞれの役割を示した図

塗る順 役割 当社が工場の外壁で使った塗料
ケレン(下地処理) 錆、汚れ、脆くなった古い塗膜を落とし、塗料が密着する下地に戻す ―
下塗り(錆止め) 錆の再発を抑え、上に塗る塗料を素地に密着させる SKマイルドボーセイ(エスケー化研)、ネオゴーセーマイルド(神東塗料)、パーフェクトプライマー(日本ペイント)
中塗り 上塗りと同じ系統の塗料を塗り、塗膜に厚みをつける シントーフロン#100マイルド中塗(神東塗料)
上塗り 紫外線や雨から塗膜を守り、色と機能(汚れにくさ・遮熱など)を受け持つ クリーンマイルドシリコン(エスケー化研)、シントーフロン#100マイルド(神東塗料)、ファインパーフェクトトップ(日本ペイント)

錆を残したまま上塗りのグレードを上げても、下に残った錆が新しい塗膜を押し上げます。上塗りの性能は、ケレンと下塗りが支えています。当社では、膜厚の指定がある仕様では電磁膜厚計で塗膜の厚みを実測し、仕様どおりに塗れているかを数値で確かめます。

上塗りに使う工場外壁の塗料の種類と特徴

上塗りの塗料は、主成分(樹脂)の違いで耐候性と費用が変わります。一般的な傾向と、当社で使った例は次のとおりです。

工場外壁の塗料の種類|上塗りのウレタン系・シリコン系・ラジカル制御形・フッ素系の特徴と向く場面、当社の使用例を示した図

種類 特徴 向いている場面 当社で使った例
ウレタン系 柔軟性があり、細部や付帯部になじみやすい。耐候性はシリコン系・フッ素系より劣る 鉄骨・付帯部、部分的な補修 倉庫内の鉄骨(柱・梁・接合プレート):防錆形ファインウレタンU100(日本ペイント)
シリコン系 耐候性と費用のバランスがよく、工場外壁で広く使われている。汚れが付きにくい低汚染型や遮熱型もある 外壁全体の塗り替えで、費用と持ちの両方を重視するとき 大通りに面したスチールの外壁:クリーンマイルドシリコン(エスケー化研)/折板・波板の屋根:遮熱塗料のSi(シリコン樹脂)
ラジカル制御形 紫外線を受けた顔料から出る、塗膜を傷める物質(ラジカル)を抑えるように設計された塗料 広い外壁を、費用を抑えながら持ちも重視して塗り替えるとき スチールの外壁パネル890㎡:ファインパーフェクトトップ(日本ペイント)
フッ素系 耐候性が高く、色あせしにくい。材料費は高め 足場や高所作業の費用がかさむ外壁で、塗り替えの回数を減らしたいとき スチールの外壁の劣化箇所:シントーフロン#100マイルド(神東塗料)/屋根:サーモアイのフッ素樹脂(日本ペイント)

このほか無機系の塗料もあります。どの種類でも、上塗りの性能は下塗りとの組み合わせと下地の状態に左右されます。「上塗りのグレードを上げれば長持ちする」とは限らない点に注意が必要です。

当社が工場の外壁・屋根で使った塗料の組み合わせ

当社の施工事例から、工場外壁の塗料の組み合わせを、下塗りと上塗りの組みで紹介します。いずれも鋼板(スチール)の素地です。

施工した箇所 下塗り 中塗り・上塗り 工期
大通りに面したスチールの外壁1面(250㎡) SKマイルドボーセイ(エスケー化研) クリーンマイルドシリコン(エスケー化研)、ブルー系 1週間
スチールの外壁の劣化箇所 ネオゴーセーマイルド(神東塗料) シントーフロン#100マイルド中塗、シントーフロン#100マイルド(神東塗料)。各工程の乾燥後に電磁膜厚計で膜厚を測定 6日
スチールの外壁パネル890㎡と付帯部 パーフェクトプライマー(日本ペイント) ファインパーフェクトトップ(日本ペイント)、ダークグレー 1か月
倉庫内の鉄骨(柱・梁・接合プレート) ハイポンファインプライマーII(日本ペイント) 防錆形ファインウレタンU100(日本ペイント)、日塗工番号 N-75 2日
工場の折板・波板の屋根(300〜1,000㎡) 錆止め 屋根用の遮熱塗料:サーモアイ(日本ペイント)、スーパーシャネツサーモSi・シャネツトップワンSi-JY(アステックペイント) 1週間から

同じ鋼板の外壁でも、汚れが目立つ道路側の面には汚れが付きにくいシリコン、傷みの進んだ箇所を長く持たせたい補修にはフッ素、広い面積の全面にはラジカル制御形と、立地と目的に合わせて上塗りを選んだ例があります。工程ごとの写真は、各施工事例のページでご覧いただけます。

屋根の塗り替えで使った遮熱塗料と進め方は工場の屋根の塗り替え|折板・波板の錆と雨漏りを点検してから塗る進め方で解説しています。

工場外壁の塗料|鋼板の外壁パネルに錆止めの下塗り(赤茶色)を塗った面の上から、職人がローラーで上塗りを塗り重ねている様子(イメージ)

※画像はイメージです

工場外壁の塗料を選ぶときの判断軸

外壁材と錆の状態

鋼板の外壁で錆が出ているなら、ケレンで錆を落としたうえで、防錆の下塗りから塗るのが前提です。スレートやALCなど、鋼板以外の外壁材では合う下塗りが変わります。色あせ・チョーキング、錆、穴あきといった傷みの見分け方は工場の外壁の塗り替え|鋼板外装の劣化チェックと、稼働中に塗る進め方で解説しています。

立地と汚れ方

道路に面した面や、排気・粉じんがかかる面は、汚れが付きにくい低汚染型の上塗りが向きます。当社でも、大通りに面した外壁に、汚れが付きにくいシリコンの上塗りを使った例があります。日の当たり方や雨のかかり方で面ごとに傷み方が違うため、面によって塗る範囲を分けることもあります。

稼働への影響

稼働中の工場では、塗料のにおいや作業範囲が操業に影響することがあります。水性・弱溶剤など臭気の少ない塗料を選ぶ、作業する面を区切る、夜間や休日に作業するといった調整で、影響を小さくできます。株式会社ユーコーでは、稼働中の施設での作業や、夜間・休日の施工にも対応しています(要相談)。

次の塗り替えまでの期間と費用

同じ予算でも、「今回は費用を抑えて早めに塗り替える」か「今回の費用を上げて塗り替えの間隔を空ける」かで、選ぶ塗料が変わります。足場や高所作業車が必要な外壁では、塗り替えの回数そのものが費用に効いてきます。

色の指定

社名やコーポレートカラーに合わせる場合は、色番号で指定すると仕上がりのずれを防げます。当社では、マンセル値や色番号(日塗工番号など)のご指定に合わせて調色します。今の外壁の色に合わせることも、建屋のイメージを変える色にすることもできます。塗料用標準色(日塗工番号)は日本塗料工業会が発行しています。

工場外壁の塗料選びで避けたいこと

価格だけで塗料と業者を決めると、ケレンや下塗りの工程が削られることがあります。また、乾燥や養生の時間を削る短い工期は、塗膜の不良につながります。株式会社ユーコーでは、仕様を問わず金額だけで判断される案件や、塗装不良の懸念がある短納期の案件は、お断りすることがあります。どちらも、塗り替えたあとの持ちを左右するためです。

株式会社ユーコーの工場の外壁の塗り替え

株式会社ユーコーは、大阪府大東市を拠点に、工場の盤・配管・鉄部などの設備と、建屋の鋼板外装・屋根のメンテナンス塗装を承っています。施工は現地で行い、北海道から沖縄・離島まで施工実績があります。

使った塗料はメーカー名・製品名・色番号を記録し、下地処理から上塗りまでの工程を写真に残しています。次の塗り替えや点検のときに、前回どの塗料をどの順に塗ったかを確かめられます。工場の外壁の傷みの見分け方と塗り替えの流れは工場の外壁の塗り替え、ほかの施工例は工場メンテナンスの施工事例でご覧いただけます。

工場外壁の塗料でよくあるご質問

シリコンとフッ素は、どちらを選べばよいですか

次の塗り替えまでの期間と、足場など塗装以外にかかる費用で決めます。足場や高所作業の費用がかさむ外壁では、塗り替えの回数を減らせるフッ素が向くことがあります。外壁の状態と予算を伺ったうえで、下塗りとの組み合わせをご提案します。

稼働中でも、においの少ない塗料にできますか

水性や弱溶剤など、臭気の少ない塗料を選ぶことができます。あわせて、作業する面の区切り方や作業の時間帯を現地調査で決め、お見積書に記載してから着工します。

今の外壁と同じ色に塗れますか

塗れます。マンセル値や色番号のご指定に合わせて調色します。今の色に合わせることも、ブルー系やダークグレーなど、建屋のイメージを変える色に塗り替えることもできます。

使った塗料の記録は残りますか

使った塗料のメーカー名・製品名・色番号と、工程ごとの写真を記録しています。膜厚の指定がある仕様では、電磁膜厚計で測った数値も残します。

まとめ:工場外壁の塗料は、下塗りと上塗りを組みで選ぶ

  • 役割:防錆・防水・美観の維持・機能の付加のうち、何を優先するかを決める。
  • 組み合わせ:鋼板の外壁は、ケレンのあと防錆の下塗りを塗り、その上に上塗りを重ねる。上塗りの性能は下塗りと下地が支える。
  • 上塗りの選び方:ウレタン・シリコン・ラジカル制御形・フッ素から、立地と汚れ方、稼働への影響、次の塗り替えまでの期間、色で選ぶ。

外壁の全体と、錆や色あせの出た部分の写真をお送りいただければ、塗料の組み合わせと進め方の目安をお伝えします。

工場・プラントの塗装、設備機械の塗り替え、焼付・粉体塗装のご相談を承っています。
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お電話:072-800-8107(平日9:00〜17:30)
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執筆:株式会社ユーコー(工場・設備の塗装と補修/大阪府大東市)

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