COLUMN / 工場メンテナンス

工場の外壁の塗り替え|鋼板外装の劣化チェックと、稼働中に塗る進め方

更新 2026.10.30

工場の外壁の塗り替え|鋼板外装の劣化チェックと、稼働中に塗る進め方

工場の外壁の塗り替えは、スチール(鋼板)の外壁パネルや外装に出た錆・色あせ・汚れを、塗装で直して守る工事です。錆は放っておくと腐食が進み、塗装だけでは直せない穴あきにつながるため、傷みが小さいうちに手を入れるほど、塗り替えで済む範囲が広くなります。

この記事は、工場の建屋の外壁を見て「そろそろ塗り替えが必要か」を判断したい保全担当・施設管理の方に向けて、劣化のチェックポイント、部分か全面かの選び方、稼働中に塗るために先に決めること、塗り替えの流れを、当社の施工事例とあわせてまとめたものです。費用は面積・傷みの程度・足場の要否で変わるため、ここでは書いていません。

工場の外壁で見る劣化のチェックポイント

鋼板の外壁は、日の当たり方や雨のかかり方によって、面ごとに傷みの進み方が違います。見回りのときは、次の4つのサインと出やすい場所を見ておくと、塗り替えの時期を判断しやすくなります。

工場の外壁の塗り替えで見る劣化のチェックポイント|色あせ・チョーキング、汚れ・雨筋、錆、穴あき・変形の4つと、それぞれの対応の目安を示した図

劣化のサイン 出やすい場所 対応の目安
色あせ・チョーキング(触ると白い粉が付く) 日の当たる面 表面を清掃し、下塗りから塗り直して塗膜を戻す
汚れ・雨筋 道路に面した面、排気や粉じんがかかる面 汚れと錆を落とし、汚れが付きにくい上塗りで塗り替える
錆(点状の錆から、広がった錆・塗膜の浮きまで) パネルの継ぎ目・ボルトまわり・下端など水が残りやすい所 ケレンで錆と傷んだ塗膜を落とし、防錆の下塗りから塗り直す
穴あき・大きな変形 腐食が進んだパネル 塗装だけでは直せないため、板金補修やパネルの交換を検討する

錆を残したまま塗り重ねると、下の錆が新しい塗膜を押し上げます。塗り替えの持ちを左右するのは、下地をどこまで戻せるかです。工場の設備(盤・配管など)の劣化のサインは工場の塗装メンテナンス|設備の劣化サインと塗り替え計画の立て方で解説しています。

雨漏りがある場合:まず水の入り口を確かめます。外壁の塗り替えは、錆や色あせから鋼板を守るための工事です。パネルの継ぎ目や屋根、開口部まわりから水が入っている場合は、塗装だけでは止まらないことがあります。現地で状態を見て、塗装で対応できる範囲と、ほかの補修が必要な範囲を分けてお伝えします。

部分の塗り替えか、全面の塗り替えか

工場の外壁は面積が広いため、傷みの広がり方と目的に合わせて、塗る範囲を決めます。

塗る範囲 向くとき 当社の施工事例
傷んだ箇所だけ 錆や色あせが特定の箇所に限られ、予算の中で傷みの進んだ所から直したいとき スチール外壁の劣化箇所を、フッ素樹脂塗料で塗り直した例(6日)
目立つ面だけ 道路に面した面など、見た目を整えたい面が決まっているとき 大通りに面した外壁1面(250㎡)を塗り替えた例(1週間)
外壁全体 錆や色あせが全体に広がっているとき、建屋のイメージを一新したいとき スチールの外壁パネル890㎡と付帯部を塗り替えた例(1か月)

一部だけを塗る場合は、新しく塗った部分と周りの色の差が出ないよう、パネルの継ぎ目や角など見た目の区切りまで範囲を広げて塗ります。色をそろえる考え方は金属パネルの補修塗装の色合わせ|素材と仕上げ別に補修跡を目立たせない手順、部分補修と塗り替えの選び方はリペア塗装か塗り替えか|素材と劣化の状態で決める判断のポイントで解説しています。

工場の外壁を稼働中に塗り替えるために、先に決めること

操業を続けながら外壁を塗り替える場合は、現地調査で次のことを決め、お見積書に記載してから着工します。

  • 作業できる時間帯:稼働中の施設での作業や、夜間・休日の施工にも対応しています(要相談)。施設の条件に合わせて、作業する時間帯を決めます。
  • 足場と高所の作業:外壁の高さと周りの状況に合わせて、足場や高所作業の方法を決め、安全帯の使用など安全対策を徹底します。
  • 養生と飛散・臭い:塗料が周りに飛ばないよう養生の範囲を決め、臭いへの対策もあわせて考えます。
  • 色:色番号やマンセル値のご指定に合わせて調色します。今の色に合わせることも、建屋のイメージを変える色にすることもできます。
  • 塗料の仕様:防錆の下塗りと、上塗りの種類(シリコン・フッ素など)を、立地や求める持ちに合わせて選びます。道路に面した面には、汚れが付きにくい上塗りを使った例があります。

上塗りの塗料の種類と選び方は工場外壁の塗料の選び方|下塗り・上塗りの組み合わせと樹脂の種類、当社の使用例で解説しています。

工場の外壁の塗り替えの流れ

鋼板の外壁の塗り替えは、下地処理に時間をかけ、防錆の下塗りから順に塗り重ねます。

工場の外壁の塗り替えの流れ|現地調査・仕様の決定、足場・養生、ケレン・下地処理、防錆の下塗り、中塗り・上塗りと膜厚の確認、確認・引き渡し、の6つの手順を示した図

  1. 現地調査・仕様の決定:傷みの範囲と程度を見て、塗る範囲・塗料の仕様・作業の時間帯・養生の範囲を決めます。
  2. 足場・養生:足場を組み、塗らない設備・窓・地面などを養生します。
  3. ケレン・下地処理:汚れ、錆、脆くなった旧塗膜を落とし、塗料が密着する下地に戻します。
  4. 防錆の下塗り:鋼板に合った防錆塗料を塗り、錆の再発を抑えます。
  5. 中塗り・上塗りと膜厚の確認:指定の色で仕上げます。仕様によっては、各工程の乾燥後に膜厚計で塗膜の厚みを測り、仕様どおりに塗れているかを数値で確かめます。
  6. 確認・引き渡し:塗り残しや塗りむらがないかを確かめ、足場と養生を外してお引き渡しします。

工場の外壁の塗り替え|錆の出たスチールの外壁パネルを、ワイヤーブラシでこすって錆と古い塗膜を落としているケレンの様子(イメージ)

※画像はイメージです

工場の外壁の塗り替えの施工事例

ほかの事例は工場メンテナンスの施工事例でご覧いただけます。

株式会社ユーコーの工場の外壁の塗り替え

株式会社ユーコーは、大阪府大東市を拠点に、工場の盤・配管・鉄部などの設備と、建屋の鋼板外装のメンテナンス塗装を承っています。施工は現地で行い、北海道から沖縄・離島まで施工実績があります。

外壁とあわせて、盤や配管など設備の塗り直しも計画に入れると、作業の時間帯や手配をまとめて決められます。配管・手摺・鉄骨などの鉄部をあわせて依頼する前に決めておくことは工場の鉄部塗装を依頼する前に決めること|範囲・錆の状態・作業条件と色にまとめています。工場の屋根の点検と塗り替えは工場の屋根の塗り替え|折板・波板の錆と雨漏りを点検してから塗る進め方で、建屋の内壁の塗装の費用と稼働中に塗る段取りは工場の内壁塗装の費用はどう決まる?見積りが変わる条件と、稼働中に塗る段取りで解説しています。補修塗装と塗り替えの違いは補修塗装とは?塗り替えとの違いと工程、補修できる範囲で解説しています。

工場の外壁の塗り替えでよくあるご質問

工場の稼働を止めずに塗れますか

稼働中の施設での作業や、夜間・休日の施工にも対応しています(要相談)。作業できる時間帯と養生の範囲を現地調査で決め、お見積書に記載してから着工します。

一部の面だけでも頼めますか

承ります。大通りに面した外壁1面(250㎡)だけを塗り替えた例や、劣化した箇所だけを塗り直した例があります。

雨漏りも塗装で止まりますか

水の入り口によります。パネルの継ぎ目や屋根、開口部まわりから水が入っている場合は、塗装だけでは止まらないことがあります。現地で状態を見て、塗装で対応できる範囲をお伝えします。

色は変えられますか

変えられます。色番号やマンセル値のご指定に合わせて調色します。ブルー系やダークグレーに塗り替えた例があります。

まとめ:工場の外壁の塗り替えは、傷みの範囲と稼働の条件を先に決める

  • 劣化のチェック:色あせ・チョーキング、汚れ・雨筋、錆、穴あき・変形の4つと、出やすい場所を見る。
  • 塗る範囲:傷んだ箇所だけ、目立つ面だけ、外壁全体から、傷みの広がりと目的で選ぶ。
  • 稼働中に塗る段取り:作業の時間帯、足場、養生と臭い、色、塗料の仕様を現地調査で決めてから着工する。

外壁の全体と、傷んだ部分の近景の写真をお送りいただければ、塗る範囲と進め方の目安をお伝えします。

工場・プラントの塗装、設備機械の塗り替え、焼付・粉体塗装のご相談を承っています。
図面や現況写真をお送りいただければ、可否と概算のご回答が可能です。

お電話:072-800-8107(平日9:00〜17:30)
事業内容を見る

執筆:株式会社ユーコー(工場・設備の塗装と補修/大阪府大東市)

この記事の内容について相談する

対象物の写真と、おおよその寸法・数量をお送りください。工法と概算、現地調査が必要かをお返しします。

CONTACT

交換を決める前に、
一度ご相談ください。

傷んだ箇所の写真を送ってください。塗装で直せるか、交換が必要かを判断してお答えします。
元請・管理会社からのご依頼、相見積もりにも対応します。

お電話でのご相談072-800-8107平日 9:00〜17:30