
建築金物の補修塗装は、扉枠やガラス枠、手摺、笠木、外装の金属パネルなどについた傷や凹み、錆を、部材を交換せずに現地で直す方法です。交換となると、部材の手配や足場、周りの部材の取り外しが必要になり、廃番で同じ部材が手に入らないこともあります。補修なら、傷んだ部分だけを整えて、周りの色に合わせて塗ります。
この記事は、施設の管理担当の方や、新設の現場で引き渡し前に金物の傷が見つかったゼネコン・設備会社の方に向けて、素材と仕上げごとの直し方、引き渡し前の補修の段取り、補修の跡を目立たせない考え方、交換を考えたほうがよい状態をまとめたものです。費用は補修する箇所の数や傷の状態で変わるため、ここでは書いていません。
建築金物の補修塗装で直せるもの
補修塗装の対象になるのは、建物に取り付けられた金属の部材です。
- 扉・枠:扉の枠、室内のガラス枠など
- 手摺・装飾金物:手摺、柱の上部の装飾など
- 外装の金属パネル:同じ形が並ぶ鋼板の外装材、カバーパネル、笠木など
直せるのは、擦り傷や塗装の剥がれ、凹み、錆といった表面の傷みです。新設の現場で、搬入や取り付けのときについた傷を引き渡し前に直すご依頼や、既設の施設で、外装の金属パネルの凹みや錆を直すご依頼をいただいています。
素材と仕上げで変わる建築金物の補修塗装
同じ「傷」でも、金物の素材と今の仕上げによって、下塗りと直し方が変わります。

| 素材・仕上げ | 主な金物 | 直し方の目安 |
|---|---|---|
| アルミ | ガラス枠、扉枠 | 深い傷はパテで面を整え、アルミに密着する下塗り材を塗ってから、今の色に合わせて上塗りする |
| ガルバリウム鋼板 | 外装の金属パネル | 凹みはパテで面を戻して研磨し、下塗・上塗の順で仕上げる。直す範囲を絞る |
| スチール | 手摺、装飾金物 | 錆や浮いた塗膜を落とし、防錆の下塗りから塗る。金色などの意匠の色にも仕上げられる |
| 焼付・粉体で仕上げた金物 | 笠木、柱カバーなど | 現地では焼き付けられないため、常温で乾く塗料で色と艶を合わせて補修する |
取り外せる部材であれば、持ち帰って焼付塗装・粉体塗装で塗り直す方法もあります。現地で補修するか、持ち帰って塗り直すかは、傷の範囲と、取り外しにかかる手間で決めます。
引き渡し前に建築金物の補修塗装を進める段取り
新設の施設では、壁や床、ガラスがすでに仕上がっています。補修そのものより、仕上がった内装を汚さないことが一番の条件になります。当社では、新設施設の室内のアルミのガラス枠20か所の傷を、内装を汚さないよう養生して、3日で補修した事例があります。

- 補修箇所の確認:指摘箇所の一覧や写真をもとに、現地で傷の深さと範囲を確かめます。
- 範囲と時間帯の決定:ほかの作業と重ならないよう、元請さまの工程に合わせて、作業する範囲と時間帯を決めます。
- 養生:仕上がった壁・床・ガラス面を覆い、塗料が付かないようにします。
- パテ・研磨:深い傷や凹みはパテで面を整え、研磨して周りの面に合わせます。
- 下塗り・上塗り:素材に合う下塗り材を使い、今の面の色に合わせて仕上げます。
- 清掃と確認:作業後に清掃し、仕上がりを確かめて引き渡します。
塗料の飛散を抑えるため、作業は手塗りを中心に行います。補修する箇所が多く、どこを直すかの確認から任せたいというご相談もお受けしています。
建築金物の補修塗装で、補修した跡を目立たせないために
補修で難しいのは、直した部分と周りとの色や艶、面の形の差です。同じ形が並ぶ外装の金属パネルは、凹みが1か所あるだけでも光の当たり方が乱れ、離れた位置からでも目に付きます。一方で、面全体を塗り替えると、塗っていない隣の面との差が出ます。そのため、凹みはパテで周りの面の形に合わせ、塗る範囲を絞って仕上げます。

※画像はイメージです
色は、今の面の色に合わせて現地で調色します。年数で色あせた面では、補修した部分との差が出ることがあるため、補修する範囲を事前にご相談します。色合わせの手順は金属パネルの補修塗装の色合わせ|素材と仕上げ別に補修跡を目立たせない手順で解説しています。
建築金物の補修塗装より、交換を考えたほうがよい状態
- 大きく変形している・割れている:成形とパテで戻せる範囲を超えた変形や、部材の割れは、塗装では直せません。
- 錆で穴があいている:錆が進んで鋼板に穴があいた部分は、塗装では元に戻せません。
- 扉の開け閉めなど、動きに不具合がある:金具や部材の不具合は、塗装では直りません。
凹みを補修で直すか交換するかの判断は金属パネルの凹みは補修か交換か|補修後の平滑度と判断のポイントで解説しています。補修では足りないと判断した場合は、そのようにお伝えします。
建築金物の補修塗装の施工事例
- 新設施設のガラス枠の深い傷を完全修復!引き渡し前の美観をパーフェクトに:新設施設の室内のアルミのガラス枠20か所の深い傷を、パテで面を整えてから下塗・上塗で仕上げた事例です。仕上がった内装を汚さないよう養生し、3日で補修しました。
- Kスパンの凹み補修と装飾球4基の金色塗装|リペア塗装:施設外装のガルバリウム鋼板の凹みをパテで戻して塗り直し(1日)、あわせて柱上部のスチールの装飾球4基を金色に仕上げた事例です。
- 【出張塗装】プラント新設後のキズを現地補修!引き渡し前の設備美観を回復:新設プラントの引き渡し前に、搬入・組み立てでついたキズの洗い出しから補修までをまとめて行った事例です。
ほかの事例はリペア・補修の施工事例でご覧いただけます。
株式会社ユーコーの建築金物の補修塗装
株式会社ユーコーは、大阪府大東市を拠点に、扉・枠・手摺・装飾金物・外装の金属パネルなどの傷や凹み、錆の部分補修をリペア・補修として承っています。現地に伺って補修し、凹み1か所の補修からご相談いただけます。損害賠償保険にも加入しています。
新設の金物を持ち帰って塗る焼付塗装・粉体塗装も行っているため、取り付けたあとについた傷を同じ色で直すところまで、色の管理を一社にまとめられます。焼付塗装で仕上げた金物の補修については補修塗装とは?塗り替えとの違いと工程、補修できる範囲、焼付塗装の仕組みは焼付塗装とは?通常の塗装との違いと工程、向く部材で解説しています。
建築金物の補修塗装でよくあるご質問
傷1か所だけでも頼めますか
ご相談ください。凹み1か所の補修から承っています。同じ現場にほかの補修箇所があれば、まとめて直すこともできます。
施設の営業時間外や、ほかの工事と重ならない時間に作業できますか
夜間に作業した実績があります。施設の営業時間や立入りの条件、元請さまの工程を伺って、作業する時間帯を決めます。
焼付塗装で仕上げた金物の傷も直せますか
直せます。現地では焼き付けられないため、常温で乾く塗料で色と艶を合わせて補修します。取り外せる部材であれば、持ち帰って焼付・粉体で塗り直す方法もあります。
写真だけで、補修できるか分かりますか
傷のある金物の全体と、傷の近くの写真をお送りいただければ、補修できるかどうかと、仕上がりの目安をお伝えします。凹みの深さや場所によっては、現地で確かめてからお答えします。
まとめ:建築金物の補修塗装は、素材と仕上げを見て、周りを汚さない段取りで直す
- 対象:扉・枠・ガラス枠・手摺・装飾金物・外装の金属パネルなどの、傷・凹み・錆。
- 素材と仕上げ:アルミ・ガルバリウム鋼板・スチール・焼付や粉体の仕上げで、下塗りと直し方が変わる。
- 引き渡し前:仕上がった内装を養生し、手塗りを中心に、元請さまの工程に合わせて進める。
- 交換の検討:大きな変形や割れ、錆の穴、動きの不具合は、塗装では直せない。
傷のある金物の全体と、傷の部分の写真をお送りいただければ、補修できるかどうかと、仕上がりの目安をお伝えします。
工場・プラントの塗装、設備機械の塗り替え、焼付・粉体塗装のご相談を承っています。
図面や現況写真をお送りいただければ、可否と概算のご回答が可能です。
お電話:072-800-8107(平日9:00〜17:30)
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執筆:株式会社ユーコー(工場・設備の塗装と補修/大阪府大東市)