COLUMN / 出張塗装

出張塗装とは?持ち込み塗装との違いと、向く設備・依頼の流れ

更新 2026.10.29

出張塗装とは?持ち込み塗装との違いと、向く設備・依頼の流れ

出張塗装とは、設備や構造物を取り外したり運び出したりせず、設置したままの場所に塗装の職人が出向いて塗る方法です。据え付けた機械や配管、盤類、組み立て後の大型設備のように、持ち出せないものを塗装・補修するときに選ばれます。

この記事は、設備の塗装や補修を検討している設備担当・工場長の方に向けて、持ち込み塗装との違い、出張塗装が向いている場面と難しい場面、依頼から完了までの流れ、事前に決めておくことをまとめたものです。

出張塗装とは|持ち込み塗装との違い

塗装の方法は、どこで塗るかで大きく2つに分かれます。設備を取り外して塗装の作業場へ運んで塗る「持ち込み塗装」と、設置した場所で塗る「出張塗装」です。

観点 出張塗装 持ち込み塗装
塗る場所 設備が設置されている現地 塗装の作業場
向いているもの 据え付けた設備、配管・架台、盤類、組み立て後の大型機械 取り外せる部品、小型の装置、カバー類
使える塗装方法 常温で乾く塗料を、スプレー・刷毛・ローラーで塗る。焼付・粉体塗装はできない 焼付・粉体塗装も選べる
稼働への影響 取り外し・運搬・再組み付けが要らない。塗る範囲は塗装から乾燥まで使えない 取り外してから戻すまで、その設備は使えない
品質の管理 現地の温度・湿度・換気・周りの設備に合わせて、養生と工程を組む 吊るして全周を塗れる。乾燥を管理しやすい
費用に含まれるもの 職人の移動、現地での養生 取り外し、運搬、再組み付け

どちらが合うかは、設備を運び出せるか、焼付・粉体塗装が必要か、止められる期間がどれだけあるかで決まります。持ち帰って塗るか現地で塗るかを含め、設備塗装の仕様の決まり方は設備塗装とは?建築塗装との違いと、塗料・工法が決まる条件で解説しています。

出張塗装とは、設置したまま現地で塗る方法|取り外して運び出せるか、焼付・粉体塗装が必要か、取り外しと停止を受け入れられるかで、持ち込み塗装か出張塗装かを判断する流れの図

出張塗装が向いている設備・場面

  • 据え付けた設備・配管・盤類:基礎に固定された機械、配管でつながった装置、配電盤・制御盤など、取り外すと再接続や試運転が必要になるもの。
  • 組み立て後の大型機械:組み立てが終わり、分解や移動が難しい機械。本体と付属部材を現地で並行して塗れば、組み立ての工程に合わせやすくなります。
  • 竣工後・引き渡し前に見つかったキズ:設置を終えたあとに見つかったキズや塗装の剥がれを、その場で補修します。
  • 範囲の限られた補修:配管の一部、架台の端部、パネルの内側など、傷んだ箇所だけを直したい場合。

出張塗装の現場|据え付けた設備パネルの内側。周りをテープとシートで養生してからキズを補修する

出張塗装が難しいケース

次のような場合は、出張塗装では仕様どおりに仕上げにくいことがあります。持ち込み塗装に切り替えるか、塗料・工程・時期を調整します。

  • 焼付・粉体塗装の仕上げが必要:炉で焼き付ける塗装は現地ではできません。取り外せるものは持ち込んで焼付・粉体塗装で仕上げます。
  • 火気や溶剤の使用が制限されている:防爆エリアや、溶剤のにおいを出せない場所では、使える塗料と作業方法が限られます。
  • 換気が取れない:密閉された室内や槽の中では、送風・排気の設備を用意する必要があります。
  • 乾燥時間が取れない:塗ってから乾くまで、触れたり水・熱がかかったりしない時間が必要です。確保できない場合は、範囲を区切って何回かに分けて塗ります。
  • 低温・高湿・結露:気温が低い、湿度が高い、表面が結露するといった条件では、塗膜の乾燥や密着が悪くなります。施工の時間帯や時期をずらします。

大型機械を現地で塗るときの可否の判断と工程は、機械の出張塗装とは?動かせない機械を現地で塗る判断と工程で解説しています。

持ち込んで粉体塗装で仕上げる場合の工程と、粉体塗装に向く部材は粉体塗装とは?仕組みと工程、向く部材・向かない部材で解説しています。

出張塗装の品質を左右する現場の条件

出張塗装の仕上がりは、塗る技術だけでなく、現場の条件をどう整えるかで決まります。

  • 養生と飛散防止:周りの設備・床・製品をシートとテープで覆い、塗料が飛ばないようにします。稼働中の設備が近い場合は、覆う範囲を広く取ります。
  • 下地処理:錆・浮いた塗膜・油分を落とします。現地では使える機材が限られるため、手工具や電動工具でのケレンと脱脂が中心になります。
  • 温度・湿度:塗料ごとに、塗ってよい気温と湿度の条件があります。結露が出やすい時間帯を避けるなど、作業の時間を選びます。
  • 換気と火気:溶剤を含む塗料を使うときは換気を確保し、工場の火気の使用ルールに従います。
  • 乾燥時間:重ね塗りの間隔と、設備を使い始めてよいまでの時間を工程に入れます。

出張塗装の作業|養生した設備パネルの内側を、ローラーで中塗りしている様子

出張塗装の依頼から完了までの流れ

  1. ご相談:設備の写真と大きさ、塗りたい範囲、希望の時期をお知らせください。写真から、出張塗装に向くかどうかの見当をつけます。
  2. 現地調査:素地と傷み具合、周りの設備、換気、作業スペースを確認します。
  3. 工程と安全の打ち合わせ:作業できる日時、止められる時間、入構の手続き、火気の扱い、工場ごとの安全ルールを決めます。
  4. 施工:養生、下地処理、下塗り、上塗りの順に塗り、乾燥の時間を取ります。
  5. 確認と片付け:仕上がりを確認し、養生を外して片付けます。

出張塗装の前に決めておくこと・用意してほしい情報

次の情報があると、出張塗装で対応できるかどうかと、工程・費用を早くお伝えできます。分かるものだけで構いません。

  • 写真:設備の全体(引き)、傷んだ箇所(寄り)、周りの様子
  • 大きさと塗る範囲:図面や寸法、塗る面
  • 素地と今の塗装:鉄・亜鉛めっき・アルミ・ステンレスなど。分かれば今の塗料の種類
  • 作業できる日時:止められる時間、休日や夜間に作業できるか
  • 工場の安全ルール:入構の手続き、火気・溶剤の扱い、服装や保護具の決まり
  • 現場の設備:電源や水が使えるか、車両を止める場所、資材の搬入経路
  • 色や仕様の指定:色番号、塗装仕様書の有無

出張塗装の事例

食品加工工場の冷却設備の配管

  • 状態:冷却設備の配管の塗膜が、腐食によって剥がれていました。
  • 対応:土曜日に出張して施工しました。
  • 結果:生産ラインを止めずに完了しました。

当社の施工事例からも、出張塗装の例を紹介します。

ほかの事例は施工事例の一覧でご覧いただけます。

株式会社ユーコーの出張塗装

株式会社ユーコーは、大阪府大東市を拠点に、全国各地への出張塗装を承っています。据え付けた機械・配管・盤類の設備・機械塗装や、キズや剥がれを直すリペア・補修工事を、現地に伺って施工します。取り外せる部品は、持ち込みでの塗装や焼付・粉体塗装を含めて、どちらが合うかからご相談いただけます。

出張塗装でよくあるご質問

設備を止めずに塗装できますか

塗る範囲とその周りは、塗装から乾燥までのあいだ使えません。範囲を区切る、工場の休止日に合わせるといった方法で、止める時間を短くします。休日や夜間の施工にも条件によって対応していますが、時期や内容によってはお受けできない場合もあるため、早めにご相談ください。

遠方の工場でも依頼できますか

全国各地から出張塗装のご相談を承っています。設備の場所、写真、希望の時期をお知らせいただければ、施工の可否と進め方をご案内します。

遠方の設備を頼むときの費用の決まり方と進め方は全国対応の出張塗装|遠方の設備を頼むときの費用の決まり方と進め方で解説しています。

持ち込みと出張のどちらがよいか分かりません

設備の写真と大きさ、止められる期間をお送りください。運び出せるか、焼付・粉体塗装が必要かを確認したうえで、合う方法をご提案します。

配電盤のように停電が必要な設備も塗れますか

停電の要否と作業できる時間を先に決め、その範囲で工程を組みます。段取りの考え方は配電盤の塗装で停電を最小限にする段取り|通電したまま塗れる範囲と決め方で解説しています。

まとめ:出張塗装とは、設置したまま現地で塗る方法

  • 持ち込み塗装との違い:取り外し・運搬が要らない代わりに、現地の条件に合わせて養生と工程を組む。焼付・粉体塗装は現地ではできない。
  • 向いている場面:据え付けた設備、組み立て後の大型機械、竣工後に見つかったキズ、範囲の限られた補修。
  • 難しい場面:火気・溶剤の制限がある、換気や乾燥時間が取れない、低温・高湿・結露。
  • 事前に決めること:作業できる日時、止められる時間、工場の安全ルール、電源や搬入経路。

出張塗装か持ち込み塗装か迷う段階でも、写真をお送りいただければご相談いただけます。

工場・プラントの塗装、設備機械の塗り替え、焼付・粉体塗装のご相談を承っています。
図面や現況写真をお送りいただければ、可否と概算のご回答が可能です。

お電話:072-800-8107(平日9:00〜17:30)
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執筆:株式会社ユーコー(工場・設備の塗装と補修/大阪府大東市)

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対象物の写真と、おおよその寸法・数量をお送りください。工法と概算、現地調査が必要かをお返しします。

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